2014年12月27日土曜日

白ゆき姫殺人事件

やりたい事・言いたい事ははスゴく分かる。
ただ、そのせいで物語が薄っぺらく感じた。

噂の無責任さを考えさせられる物語で、人間の汚さ厭らしさが凝縮しています。
この胸糞悪い感じが、いかにも湊かなえワールドって感じがして「告白」とかで懲りてる人は注意が必要かも。
ミステリーって感じでもないので、ミステリー好きも注意!

雑誌記者によるインタビューと、巻末の資料を参照しながら読み進めていく、新しい小説の読ませ方という部分ではなかなか面白く、一読の価値はありますよ。


2014年12月25日木曜日

世界から猫が消えたなら

まずはそのタイトルに惹かれた。
しかし、多くの方のレビュー通り、肩透かしを喰らった感がある。

ところどころ出てくる言葉(使い古された言葉ではあるが)「何かを得るためには何かを失わないといけない」とか「本当に大切なものは失ってから分かる」といった言葉(ほら、聞いたことあるでしょ?)は、心にスッと入ってくる。
世界から◯◯が消えたなら…って考えると、今有る事柄を大切に思える。

ただ、その使い古された言葉が物語の核になっているので、既視感というかなんというか物足りないんです。
楽しく読めるんだけど、驚きや感動が感じられなかったのが少し残念。
あと、終わりがなんだかなぁってな感じでスッキリしなかった。
映画化されるらしいけどパスだな。


2014年12月15日月曜日

イニシエーション・ラブ

帯の煽り文句通りの反応をしてしまった。
sideAとsideBからなる二部構成の作品。
途中までは、言ってみれば何の変哲もない普通の恋愛小説で、正直退屈で読み進まなかった。
しかし、sideBに入ってしばらくすると、何だか違和感を感じ始める。
そこからは一気読みで、再読せざるを得ない終わりへ。
見事に騙され、見事に楽しませてもらいました。

映画イニシエーション・ラブ
はたしてどのように映像化されるのか、今から楽しみです。


2014年11月29日土曜日

PK

本屋の新刊コーナーで見かけ、そういえば朝刊の広告で見て気になったんだったと手に取りました。
伊坂幸太郎節の騙し絵をSF風に味付けしましたって感じの作品。
読んでて感じた違和感が、どことどこで繋がっているのか?
サクッと読めるし楽しめる。再読必至の傑作です!


2014年11月5日水曜日

海賊とよばれた男

永遠の0の百田尚樹さんの2013年本屋大賞作品。
素晴らしかった!
すべてのビジネスマンに捧ぐ!と煽っていますが、
すべての日本人に捧ぐ!でも間違いないと思います。
国岡店主の言動に心を打たれ、また、日本人であることを誇りに思いました。

とっくに売れまくってますが、読んでない方はぜひ!
900頁くらいの大作ですが、読み進める手が止められないと思います。
面白かった!



2014年10月31日金曜日

絶対、最強の恋のうた

久しぶりの中村航節。

告白は確認のような感じだった。
とか、
お互いの過去や現在を話すのは、帳尻を合わすような行為だった。
なんて表現が新鮮であり、スッと腑に落ちる。
恋人の顔を見たくなる、心優しいストーリーです。

気まぐれとマグレ以外、この世に何があるんだよ。



2014年10月29日水曜日

インビジブルレイン

姫川玲子シリーズ第4作
面白いんだけど、なんだか後味がない。
内容が薄いわけでは無いんだけど、残るものがないというか…。
歴代の登場人物の影が薄く、シリーズの繋がりも弱いせいか、中途半端に別モンって感じ。
ストーリーは面白いのに、シリーズ物としてはちょっと残念。
映画はどうだろう?観てみるか。


2014年10月24日金曜日

映画 まほろ駅前狂騒曲

観てきました、多田と行天のコンビ最新作!
シリーズおなじみのユルいやりとりに終始ニヤニヤ。
ある時は声を殺して笑いながら、あっという間の2時間でした。
細かいツッコミは有りつつも、それはそれで楽しめました。
多田便利軒好きなら問答無用で必見!
文庫版早く出ないかなぁ。

2014年10月20日月曜日

シンメトリー

あっという間に読み終われるくらい読みやすいけど、面白いかと言ったら微妙。
スイスイ読み進められるくらいに、内容が薄い。
短編集だったからか、拍子抜けでした。


2014年10月18日土曜日

すべてがFになる

早見あかりがまたドラマに出るらしい

真賀田四季という重要な役割らしい

原作の小説は名作ミステリと言われているらしい

じゃあドラマが始まる前に読もう!

と思い立って、即購入。
しかしなかなか読み進められない。

死体の登場やトリックの斬新さには心掴まれるが、心が通ってないかのような登場人物全員に感情移入が出来ず、従来のミステリと同じ枠で捉えて読むと、最初から最後まで地に足がつかない気持ち悪さがつきまとう。
読まれる際は、ぜひ頭を柔らかくして読んでください。


2014年9月29日月曜日

ソウルケイジ

BOOKOFFの100円コーナーに並んでたから、続きの「シンメトリー」「インビジブルレイン」と合わせて購入。
びっくりするくらいサラッと読めちゃった。

前作ストロベリーナイトよりはグロさが軽減されてて少しは読みやすいかな(グロいところはグロいけど)。
姫川シリーズにハマった方ならオススメです!


骸の爪

背の眼に続く、真備シリーズ第2弾です。
面白くて引き込まれて、あっという間に(…とは言えそこは秋の夜長、ガッツリ夜更かししましたが)読み終わっちゃいました。

小説家の道尾が、取材に訪れた仏像の工房で聞いた不思議な言葉。
翌朝、工房の一人が行方不明になり、不思議な言葉の事を工房の者達に聞いた途端、工房を追い出されてしまう。
霊現象探求家の真備を連れて再訪すると…。
その先はご自身の目で。


2014年9月24日水曜日

あの日の僕らにさよなら

元カノの名前をググる。
そこで目にしたのは…。

女々しい男なら一度はしたことがありそうな、苦々しいようなくすぐったいような物語の始まりに心掴まれ、スイスイ読み進められる読みやすさ。
過去へのこだわりがスッと消えるような、清々しい読後感。
若干登場人物たちにイラッと来ますが、全体を通して面白かったです。


2014年9月22日月曜日

果てしなき渇き

映画の予告で興味が湧いたので読んでみました。
登場人物の全員が全く共感の湧かないヤツらだらけで、しかもスッキリしない終わり。
そんなにめちゃくちゃ悪いってほどでもないけど、人に勧められるほど良くはない。
『このミステリーがすごい!』大賞受賞に安心して購入したけど、ただのサスペンス。
「発端の不可思議性」「中途のサスペンス」「結末の意外性」の最後が弱いため、見事に肩透かし食らっちゃいました。

そろそろ賞モノに逃げるという安直な本の選び方を考えなおさなくちゃなぁと、ちょっとした教訓になりました。
その二日後、懲りずにBOOKOFFで古本を買い漁ったんですけどね。

2014年9月10日水曜日

春から夏、やがて冬

葉桜の季節に君を想うということ』の歌野晶午さんの作品。
帯に「葉桜~」と書いてあったため、思わず手にとってしまった。

「葉桜~」ファンにしてみたら、正直言って拍子抜けといった感じ。
全然毛色が違うのに、帯に「葉桜~」って書いちゃダメでしょ。

ミステリなんだけど、トリックにこだわったミステリではなく、人間模様や感情が複雑に絡み合ったミステリ。
朝までテンションが低空飛行するくらい、重く辛いラスト。
想像してたのとは全く違ったが、それでも満足でした!

ただただ帯や「葉桜~」という宣伝文句に引っかからないようにしてもらいたいな。
いい作品なのに、無駄な先入観の植え付けが足を引っ張ってる。

余談だけど、この後読む予定で買った「果てしなき渇き」も重そう。
嫉妬と葛藤でグチャグチャしている最近の自分の心を反映させたような本のチョイスだな(笑)


2014年9月8日月曜日

獣の奏者 Ⅲ探求編 ・ Ⅳ完結編 ・ 外伝 刹那

獣の奏者Ⅰ闘蛇編から外伝 刹那まで、5冊2334頁を3週間かけて読破!
ホント面白くて、あっという間の5冊でした!

この探求編と完結編も装丁が美しい!外伝の装丁も美しいですが、二冊合わせて並べた時の美しさと言ったら…。

そしてこの美しい装丁が、読了後意味のある物だった事に気づき、改めて感動しました。

肝心の内容はと言うと、Ⅰ・Ⅱの前編がエリンと王獣達の未来を想像させ、期待を持たせるような物語になっていますが、このⅢ・Ⅳの後編は、エリンの逃れられない運命、絶望に近い未来に世界が突き進んでいく、重めの物語が続きます。
読後感はズーンとしますが、ただただ重いだけじゃなく未来は…っと、この先はぜひ本編で(笑)

「児童文学ではない」と著者が言うとおり、大人が楽しめるファンタジーです。
勿論、子どもでも読めるファンタジーです。

まずⅠ・Ⅱを読んで、面白かったらⅢ・Ⅳも読んで、ハマったんなら外伝まで、ぜひ読んで欲しい物語です。

2014年8月26日火曜日

獣の奏者 Ⅰ闘蛇編 ・ Ⅱ王獣編

読み出したら止まらなかった!スゴい!面白い!
2014年に「児童文学のノーベル賞」といわれる国際アンデルセン賞作家賞を受賞した上橋菜穂子さんの獣の奏者
小野不由美さんの十二国記に続き、大人も楽しめるファンタジーの名作を。

この本を読もうと思ったきっかけは、国際アンデルセン賞って事やNHKでのアニメ化の知名度もあるけど、正直に言うと表紙の美しさに目を奪われたから。
要するにジャケ買いです!(笑)

肝心の中身はと言うと…冒頭で書いたとおり、面白くて止まらなかったんです!
天使や魔法が出てくるようなファンタジーではなく、闘蛇の臭いや王獣の毛並みの美しさが肌で感じられる、異世界ファンタジーだけど目の前に広がるリアルさに、没入感がハンパない!

続きのⅢ探求編とⅣ完結編も購入して読みふけてます。
んで、読み終わったら漫画版やアニメ版にも手を伸ばしちゃうだろうなぁってくらいハマりました!
これはオススメです!

2014年8月21日木曜日

晴天の迷いクジラ

死にたいと思っている3人が、死ぬ前に、湾に迷い込んだクジラを見に行く。
裏表紙のあらすじにこう書いてあったけど、正直ピンと来なかった。
ただ読了後、この本の内容を教えてと言われれば、こう答えるしか無い。

泣き所はないが、心がギュッと鷲掴みにされる切なさが全体を漂っている。
それでいて、読み終わった後の心が軽くなる感じが心地よい。
「ただ生きているだけでいい」
その言葉の意味を知るための3人の旅。
とても素晴らしい本でした。

「死ぬなよ」

晴天の迷いクジラ (新潮文庫)晴天の迷いクジラ (新潮文庫)
(2014/06/27)
窪 美澄

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2014年8月11日月曜日

下町ロケット

これは素晴らしく面白かった!
一人で読んでたら泣いてた!
後半のトノのセリフには感動しっぱなし!完全にトノのファンです!
隣の友人に気付かれないようコッソリと、喉をせり上がり鼻をツーンとさせるあの刺激に耐えながら読み進めました!

読み物として良さは勿論ですが、今の自分の仕事や趣味、大袈裟に言うなら生き方を見つめ直させられ、そしてまた今日から自分の足で一歩づつ進んで行こうと勇気づけられる傑作でした。
第145回直木賞受賞の「下町ロケット」オススメです!

下町ロケット (小学館文庫)下町ロケット (小学館文庫)
(2013/12/21)
池井戸 潤

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2014年8月5日火曜日

カラスの親指

続けざまに道尾秀介さんの作品を。その2
これまた面白かった!!

詐欺師を生業とする主人公の周りで起きる、複雑に絡み合った人間模様。
最後に絡み合った糸が解け、一本の筋となり、読んでいるものを最大のペテンにかける。
読んでる最中はモヤモヤと雲がかかったような心が、読み終わるとスッキリ晴れ晴れ。
ミステリでもないけど、このトリック(マジック?)は気持よく面白かった。
どんな結末かは読み終わってからのお楽しみ!
オススメです!

カラスの親指 by rule of CROW’s thumb (講談社文庫)カラスの親指 by rule of CROW’s thumb (講談社文庫)
(2011/07/15)
道尾 秀介

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2014年7月28日月曜日

背の眼

続けざまに道尾秀介さんの作品を。
しかも夏ですし、久しぶりにホラー物を。

と言っても怖いのは上巻までで、下巻からはミステリ色が強くなる。
出だしの怖さとトリックのあっけなさから、ホラーとミステリのどっち付かずで物足りなさを感じるが、登場人物が魅力的で伏線回収も気持よく、あっという間の読了でした。
登場人物たちのその後が気になるから続編にも興味が…と言いつつ、誉田哲也さんの「姫川シリーズ」も手付かずですが。

そんなこんなで第5回ホラーサスペンス大賞特別賞「背の眼」
なかなか良かったですよ!

背の眼〈上〉 (幻冬舎文庫)背の眼〈上〉 (幻冬舎文庫)
(2007/10)
道尾 秀介

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背の眼〈下〉 (幻冬舎文庫)背の眼〈下〉 (幻冬舎文庫)
(2007/10)
道尾 秀介

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2014年7月22日火曜日

龍神の雨

去年から読みたかった、初めての道尾秀介さん作品を読了。

暗い展開の中にもわずかな光が差し込み、家族とは何かを考えさせられるミステリ。これは面白い!
いい作品に出会った時に毎回思うけど、もっと早く読んでおけばよかった!
まだ道尾秀介作品が積んであるので楽しみ!

龍神の雨 (新潮文庫)龍神の雨 (新潮文庫)
(2012/01/28)
道尾 秀介

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2014年7月7日月曜日

左岸

先日の右岸の対を成す物語。

この左岸は尻軽アバズレ女の物語。
その尻軽アバズレ具合にまったく共感できなくて読み進められず、これは休み休み読んでたらいつまで経っても読み終われないぞと危機感を抱きつつも、なかなか本に向き合えない。
そんな読む苦しみを味わいながらなんとか読了。

めちゃくちゃ胸糞悪い女だけど、最後にひとりぼっちになる時には「ざまぁみろ!」という感情よりも寂しさや哀愁を感じ、文章力に引っ張られ嫌々ながらも物語に入り込めてたのかなぁと、ちょっと不思議な感覚だった。

超長編を一気に読める読書力があれば、と思う今日この頃でした。

左岸 上 (集英社文庫)左岸 上 (集英社文庫)
(2012/02/17)
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(2012/02/17)
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2014年6月23日月曜日

映画 ものすごくうるさくて、ありえないほど近い

純粋な心を持つ主人公が、9.11で亡くなった父親の秘密を探す物語。
切なくも心温まる、雰囲気がスゴく好きな映画でした。

これでも原作の良さが削がれてるらしいので、今度はぜひ原作を読みたい。
この長いタイトルの意味が、映画ではあまり分からなかったから。

ものすごくうるさくて、ありえないほど近い [DVD]ものすごくうるさくて、ありえないほど近い [DVD]
(2013/02/06)
トム・ハンクス、サンドラ・ブロック 他

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